国「40歳から死ぬまで払え」介護保険の存在と将来の負担増を知り恐怖…
年金、健康保険、住民税…日本国民として生きる以上、この3つのお金はどうしても払わなくてはいけません。
しかし、40歳以上になると『介護保険』という新たな負担が増えます。
私はまだ40歳には至っておらず、介護保険料を負担していません。
しかし生き続ければ、いずれ負担する事になるのは事実です。
先んじて介護保険について学んでいきたいと思います。
1.介護保険とは?
2023年7月時点で、介護保険を簡単にまとめると下記のようになります。
- 40歳の誕生日から加入、保険料を毎月負担する
- 高齢者の介護や看護負担を減らすのが目的
- 基本的に65歳以上の高齢者が利用できる
- 40~64歳までは健康保険料と合わせて請求される
- 65歳以上は年金から天引きされる
- 制度が設立されたのは2000年から
- 40歳以上から死ぬまで負担し続ける
まあ簡単に言うと「要介護の高齢者が増えて、医療費も比例して増大したので40歳以上の皆で負担しようぜ!」って事です。
そして40歳以上になったら生涯を終えるまで、つまり『死ぬまで払え』が介護保険なんです。
字面にするとヤバいですね。
質問 何歳まで介護保険料を納めるのですか。
回答 40歳以上の方は年齢にかかわらず、生涯納めていただくことになります。
余談ですが介護保険と呼ばれる制度は、日本国の運営している介護保険を指します。
他にも民間の保険会社も、介護保険と呼ばれるサービスを提供しています。
今回は主に国の運営している方の介護保険にスポットライトを当てていきましょう。
1-1.介護保険は年齢によって区分が2つに分かれる
介護保険の加入者は『65歳以上の第1号被保険者』『40~64歳の第2号被保険者』に分かれています。
第1号と第2号どちらも介護保険料を納めるのは共通ですが、受給要件や支払い方法が変わっています。
第1号被保険者 | 第2号被保険者 | |
---|---|---|
対象者 | 65歳以上 |
40~64歳までの 医療保険加入者 |
介護保険の受給要件 |
・要介護状態 (寝たきりや認知症等の 介護が必要な状態) ・要支援状態 (日常生活に支援が必要) |
要介護、または要支援状態が末期がんや 関節リウマチ等の加齢に起因する 疾病による場合に限定 |
対象人数 | 3,525万人 | 4,192万人 |
要介護・要支援認定者数 (被保険者全体との割合) |
645万人(18.3%) 65~74歳…73万人(4.2%) 75歳以上…572万人(31.8%) |
13万人(0.3%) |
介護保険料の負担方法 |
市町村が 年金から天引き |
加入している医療保険の 保険料と一括徴収 |
参照元:令和3年5月厚生労働省老健局 介護保険制度の概要(pdfファイル)
ここでいう医療保険とは、国民健康保険や協会健保などを指しています。
その為、40歳からは毎月支払っている健康保険料が更に上乗せされることになるのです。
負担額は医療保険によって異なりますが、65歳以上の第1号被保険者の場合は
市町村が年金から天引きされるので、地方自治体のホームページに毎年の負担額が公表されています。
1-1-1.介護保険は実質65歳以上を支える制度である
『介護保険とは増大する高齢者と介護費用を社会全体で負担し合う』という理念で設立されています。
その為、主な受給対象は65歳以上、それも75歳以上の高齢者です。
先の表でも以下の点から高齢者がメインターゲットなのが分かります。
- 第2号被保険者(40~64歳)の加入者数は4,192万人、認定者数は13万人と全加入者数の0.3%のみ
- 第1号被保険者(65歳以上)の加入者数は3,525万人、認定者数は645万人と第2号の50倍
- 第1号被保険者の中でも75歳以上の認定者数が572万人と最も多い
一応、40~64歳の第2号被保険者でも条件さえ満たせば介護保険の受給を受ける事が出来ます。
しかし要介護または要支援状態にあり、更に加齢に起因する特定疾病が条件なので、受給要件はかなり厳しめです。
介護保険は65歳以上を支える為だけの制度と言い切っても差し支えないでしょう。
2.介護保険料は毎月どれだけ負担になる?
介護保険料の毎月負担額ですが、これに関しては加入している医療保険や被保険者の年齢によって変わります。
つまり人それぞれという訳です。
- 第2号被保険者(40~64歳)…加入している地域の医療保険により変動
- 第1号被保険者(65歳以上)…在住の地域と収入により変動
第2号被保険者の場合、毎月の医療保険と合算請求されているので、そこから金額を確認する方法があります。
第1号被保険者の場合、市町村が年金から天引きする仕組みなので、各市町村のホームページから料金を見る事が可能です。
2-1.第1号被保険者の介護保険料金目安
第1号被保険者の介護保険料の目安を挙げてみます。
これは東京都の新宿区・港区・世田谷区、23区外の八王子市・立川市・町田市の
ホームページから抜粋したものです。
地域名 | 新宿区 | 港区 | 世田谷区 | 八王子市 | 立川市 | 町田市 |
---|---|---|---|---|---|---|
年間介護保険料額 | 19,200円~284,160円 | 18,735円~382,194円 | 22,248円~311,472円 | 20,700円~200,100円 | 19,000円~183,400円 | 20,700円~193,200円 |
毎月の負担額 | 1,600円~23,680円 | 1,561円~31,849円 | 1,854円~25,956円 | 1,725円~16,675円 | 1,583円~15,283円 | 1,725円~16,100円 |
基準金額 | 6,400円 | 6,245円 | 6,180円 | 5,750円 | 5,875円 | 5,750円 |
基準金額とは「各市町村の予定する保険給付費の総額を基に算出した金額」です。
じゃあこれが大多数かと言われるとそうではなく、住民税が非課税だったり
年間の所得が80万円以下など、平均より収入が低い世帯が基準金額に近くなります。
あくまで推測ですが、月1万円前後が介護保険料の最も多い負担ではないかと思っています。
2-2.介護保険は住民税非課税でも納めなくてはいけない!
介護保険が他の税金と違う点で「住民税が非課税の世帯だろうと納付しなくてはいけない」という性質です。
住民税が非課税の世帯、収入が極端に少ない世帯や生活保護受給中であっても介護保険は納付しなくてはいけません。
ただ金額は上記の基準額より下がるので、負担はそこまで大きくありません。
3.介護保険料がこれから高くなると予想されるワケ
介護保険料は誰が負担しているのか?これは2023年時点で国と都道府県が50%が負担。
65歳以上の第1号被保険者が23%を負担、残る27%は40~64歳の第2号被保険者で負担しています。
そして今後の人口推移を見るに、介護保険料は高くなっていくと予想されます。
3-1.2035年以降に最多数の第2号被保険者が第1号被保険者に移動する
画像参照元:統計局ホームページ/人口推計/人口推計(2022年(令和4年)10月1日現在)‐全国:年齢(各歳)、男女別人口 ・ 都道府県:年齢(5歳階級)、男女別人口‐
2022年の日本の人口ピラミッドが上記の画像です。
日本は40~64歳以上の人口は多いので、1人当たりの介護保険料は抑えられている方になります。
特に1971年~1974年の第2次ベビーブーム世代は、最も人口数が多い世代です。
実は2023年時点では、1人当たりの介護保険料の負担はまだ少ないのです。
2023年時点では、まだ40~64歳の世代が65歳以上の世代をしっかり支えています。
問題は2035年以降です。
最も人口の多い1971~1974年生まれまでの世代が、65歳以上の第1号被保険者に順次移動していきます。
しかし1974年以降の世代は、少子高齢化により人口数は減少の一途です。
結果、1974年以降に生まれた世代の介護保険料は、1人当たりの負担は増すという訳ですな。
年々、医療技術の進歩により人間の寿命は長くなっています。
長生きは人類の夢であり、第二次世界大戦後の日本を支えてきた功労者世代なのに…。
長寿化した老人を支える為に、若者世代の負担が増していくのは皮肉としか言えません。
これから増える介護保険料…死ぬまで払い続ける事に恐怖…
「40歳になったら介護保険払わなきゃいけないからさぁ、お前もちょっと知っといた方がエエよ」
ふと、前職で先輩が言っていたのを思い出し、軽い気持ちで調べた介護保険。
これからの負担増を考えると、ただ恐怖を覚える結果になってしまいました…。
何が一番怖いって、死ぬまで払い続けなくてはいけないことです。
年金受給中だろうが生活保護だろうが、100歳越えようが、無職だろうが関係ありません。
無論、自分が老いた時には必要なので、自分だけ払わないのは不平等だと頭では分かっています。
でも今後の人口推移を見るに、これからの世代は負担する金額が増えるのはほぼ確定。
…救いは無いんでしょうか!?