中国の大学生「卒業したので、みんなでタヒ体ごっこします…」→日米韓が取り上げる一大ニュースになる
今、中国のSNSで、大学を卒業した人たちによる“死んだふり”をした写真の投稿、
通称「死亡卒業写真」が流行っているといいます。
投稿された写真を見ると、2人の人物が階段の手すり部分に
力なくもたれかかる写真とともに、
「学校を離れたら死んだ方がいい」という一文が。
別の投稿では、木に力なくもたれかかる3人の姿や、
「卒業したら失業するよ」という言葉を添えて投稿する人も。
なぜ、こうした写真の投稿が相次いでいるのでしょうか?
そのヒントは、6月に北京で行われた就活フェアにありました。
就職フェア参加者:
私の知っているクラスメートで、内定をもらった人はほとんどいません。
実は今、中国の大学生たちは史上最悪の就職難に直面しているのです。
中国メディアによると、5月の16~24歳の失業率は20.8%。
5人に1人が職に就けない状況にあるのです。
さらに、2023年は過去最高となる1158万人の大学の卒業生が、
就職戦線になだれ込む見込みだといいます。
中国のこうした現状について、拓殖大学海外事情研究所の富坂聰教授は、
理由のひとつに「大卒者が増えすぎた」ことがあるといいます。
富坂聰 教授:
大学が増えすぎて、大卒者が増えすぎた。
それに反して大卒に見合った仕事が少ないんです。
こういう慢性的な問題がある中で、さらにゼロコロナ政策によるダメージで
すべての経済が止まったので、全般的な雇用の問題を悪くしたと。
“ゼロコロナ政策”による経済活動の停滞と
大学の卒業生の増加が相まって、狭まってしまった就職の門。
今後改善の兆しは見えてくるのでしょうか。
(めざまし8「NewsTag」より 6月26日放送)
(引用ここまで)
大学を卒業したけど就職先が無い事に絶望した中国の大学生が
卒業写真に死んだような姿を撮影する「死亡卒業写真」を次々とSNSに投稿する様が
日米韓で取り上げられるニュースになっています。
その背景を知ると「中国の若い子も大変なんだな…」と哀れとしか言えません。
1.中国は高卒~大卒で5人に1人が失業者になる厳しい現実
CNNによると、先月の16~24歳の中国青年の失業率は20.8%で記録的な水準に達した。
こうした状況でこの夏には過去最大となる1160万人の大学生が
就職市場に流れ込むと予想される。
一生の思い出の卒業式で、何故死体のフリした写真を撮るのか?
その理由は中国の若者は卒業後、5人に1人以上が失業者になってしまうからです。
恐ろしいのは20.8%の失業者のデータは5月の物、中国の卒業シーズン寸前の話。
中国は原則9月入学の2学期制で、6~7月に卒業式になるので
更に失業者が上乗せされるでしょう。
元記事に「卒業したら、失業するよ」なんて書いてあるのは、
韻を踏んだギャグじゃなくて、残酷な事実なんですな。
2.今の中国の若者は1999年の日本に近い
画像元:内閣府 平成17年版 青少年白書 概要 第1部 第6図青少年失業率の推移
日本では1999年(平成11年)の15~24歳の失業率を合わせると、中国と近い20.9%になったことがあります。
1999年と言えば、いわゆる就職氷河期と呼ばれる世代のド真ん中。
あの状況が2023年に中国で起きている訳です…恐ろしい!
私は1999年当時、中学生でしたが連日のように不況や就職できない学生の惨状、
企業の倒産といった暗いニュースが相次ぎ、未来に不安を感じた覚えがあります。
3.寝そべるか、不承不承ながら働くか…中国の若者達に迫る2択
現状で5人に1人が失業する中国の若者達、彼らには2つの選択肢を迫られます。
- 自分の学んだ事を生かせない仕事に進む
- 就職を諦めて寝そべり族になる
中国は日本以上の受験競争社会。
子供に掛ける学習コストは、日本より高い国と言われています。
しかし、そんな苛烈な受験を勝ち抜けてきた彼らと彼らの家族に待ち受けるのは
不本意な職で食いつなぐか、寝そべり族になって諦めるかの2択…。
もちろん良い職場に辿り着く若者もいるでしょうし
海外で就職をする人もいるでしょうが少数派。
自分が彼らの立場だったら
「今まで学んできた事、生きてきた意味って何なんだろう…」と
日がな一日、途方に暮れたまま寝そべっているでしょうね…。
4.外信は『今後数年間、高い失業率のまま』と予想
中央日報の記事にはCNNとゴールドマンサックスのコメントもありますが…
中国は3年余りにわたり強力なゼロコロナ政策を展開し、
企業は採用を大幅に減らした。これによりこれまで就職市場に進出できなかった
就職準備生まで含めば門戸はさらに狭くなるものとみられる。
CNNは「これらすべてが学生たちに憂鬱な図を作った。
多くの学生が競争が激しいことで悪名高い中国の教育システムを経たが、
いまや疲れて落ち込んだ状況」と説明した。
だが今後数カ月間は状況がさらに悪化するものとみられる。
ゴールドマン・サックスの報告書によると、若者たちのために
より多くの働き口を作ろうとする中国政府の試みは限定的かもしれないと警告した。
報告書は「今後数年間は高い青年失業率が続くだろう。青年たちは
狭くなった採用市場に進入するためにますます恐れることになり、
これは全国の数百万人の学生に問題を引き起こす」と説明した。
…うーん、厳しい。
今まで中国の若者達には寝そべるという選択肢はありましたが
これからは働きたいけど、寝そべるしかない若者も出て来るでしょう。
いずれにせよ、当分はキツい様子は否めませんな。