雇用保険の申込みから受給までの流れ
一般的なサラリーマン等の場合、退職すると収入が途絶えてしまう。
その為、再就職に向けて休むどころか、日々の生活すらままならないことも珍しくない。
そういった事態を防ぐ為に、国は雇用保険(または失業保険)というセーフティネットを用意している。
この雇用保険は自分から申請しないと受け取れないので、退職したら必ず申込むべし!
◆初回の雇用保険は手続き開始から約1ヶ月半で支給(給付制限無し)
雇用保険を受け取る場合、給付制限無しの場合は退職後約1ヶ月半ほどで支給される。
- 退職した会社から離職票を発行してもらい受け取る(退職後約2~3週間ほど)
- 離職票など必要な物をもって今住んでいる地域管轄のハローワークに行く
- 受給資格決定後、7日間の待期期間を過ごす
- 7日後にハローワークで行われる職業講習会に参加(約60分)
- 職業講習会から更に7日後にハローワークで行われる雇用保険説明会に参加(約1時間半)
- 給付制限無しの場合、2週間後の初回認定日にハローワークに行く
- 認定が通れば初回認定日の約1週間後に雇用保険の手当が振り込まれる
一連の流れは2のハローワークで詳しく説明される。
給付制限の有無も、2の時で説明されるので今後の生活を見通す為にも必ず確認しておこう。
■給付制限ありの場合は退職後約3ヶ月で支給
雇用保険の受給資格決定時、給付制限ありの場合、初回支給まで約3ヶ月かかるとみた方が良い。
給付制限そのものは2ヶ月だが、諸々の手続きを経ると1ヶ月近く追加になるからだ。
例として4月末に退職した人間が、給付制限ありの場合は下記スケジュールになる。
- 4月末に退職
- 会社から離職票が発行され手元に届くのが5月15日
- 翌5月16日にハローワークへ行き受給資格が決定
- 1週間の待期期間後、5月23日の職業講習会に参加(23日から2ヶ月の給付制限開始)
- 更に1週間後、5月30日に雇用保険説明会に参加
- 2週間後の6月13日までに1回以上の求職活動を実施
- 6月13日の初回認定日にハローワークへ行き認定を受ける(この時点で給付は無い)
- 7月22日に2ヶ月の給付制限期間が終了
- 6月13日から次回認定日の8月8日までに求職活動を2回以上実施
- 給付制限期間終了翌日から認定日前日まで(7月23日~8月7日)の期間を算出。
- 8月8日の認定日にハローワークへ行く
- 認定通過後、約1週間ほどで雇用保険が振り込まれる
…改めて書くと、給付制限ありの場合、厳しいスケジュールだと言わざるをえない。
実質3ヶ月無収入だし、更に初回振り込みの場合、約16日分の雇用保険だけなのだ。
昨今、貯金ゼロの人も少なくないので、雇用保険は受け取るハードルが高い…と言われているのも納得。
「働いたら半年分の生活費は貯めておけ」って言われる理由が大体これ。
今後、退職を考えている人は、少しずつでもいいから貯金しておいた方が良い。
〇給付制限中や雇用保険受給中も働くのはOK!
誤解しないでほしいのだが、雇用保険受給中や給付制限中は働いてもOKだ。
雇用保険の手続きを進めると失業認定申告書という書類がもらえるので
この書類に働いた日付と金額を記載して提出すれば良い。
働いた時間数や収入に応じて、その分雇用保険の受給額の調整や給付日数の先送り等がされる。
ここでちゃんと申告しておかないと、不正受給とみなされる可能性がある。
書類の記入方法はハローワークで教えてくれるので、必ず覚えておこう。
雇用保険申込み時に必要な物は5つ
雇用保険を申込む際、最低限必要な物は下記5つだ。
- 離職票
- 個人番号確認書類
- 身元確認書類
- 写真2枚
- 本人名義の預金通帳またはキャッシュカード
この内、2.3.4はマイナンバーカード1枚でまとめて対応できる。
無職の状態だと証明写真代も割と馬鹿に出来ない。
マイナンバーカードがあれば、積極的に利用するのがおすすめ。
■離職票・社会保険喪失証明書は退職時に必ず申込むべし!
退職時に勤め先の会社から離職票と社会保険喪失証明書の発行は必須だ。
社会保険喪失証明書は、会社の健康保険から国民健康保険への切り替えに必要となる。
基本的に退職時に発行の有無を聞く会社がほとんどだ。
しかし中には担当者が忘れていたり、ひどい場合敢えて聞かないケースもあるようだ。
すぐ再就職するならともかく、雇用保険を受け取りたいなら必ず発行してもらおう。
◆退職後の生活の為にも雇用保険は必ず申込め!
最後に雇用保険を受給するには、原則、退職した人間が申込む必要がある。
会社も役所も「退職後は雇用保険受け取れますよ」って教えてくれないのだ。
他の役所のサービスもそうだが、原則自分で申込まないと恩恵を受けられない。
「こんなサービスがあるって知っていれば…」と頭を抱えない為にも
退職したら必ずハローワークに行き、雇用保険の受給を申込んでおこう。
今回のまとめ